2月24日の土曜日。2年前にフィリピンから来日した常ゆかりさん(12)が宿題を持ち込んで
勉強するのは、浜松市にあるフィリピン人のNPO団体だ。もとはフィリピン人女性による仲間の
生活や学習の支援を目的としていたが、徐々に日本人ボランティアが加わり日本語や子供に宿題を教え、
生活相談にも乗る。

 「夫の駐在でドイツで暮らしていた時、自分も現地の人たちに助けてもらった」。
清水範子さん(58)は支援員として子供たちの宿題を手伝う。常さんは「日本語は難しいし、
学校の勉強についていくのは大変。でもここでは先生が丁寧に教えてくれて、友達もいる」と喜ぶ。

 隣に外国人がいること、人生のパートナーに選び家庭を築くことはもはや特別ではない。
その一方で、街頭やインターネットでは外国人に対するヘイトスピーチ(憎悪表現)が後を絶たない。

 目の前で進む外国人の流入は止められないし、少子化が進む現状では止めることによる社会の
活力停滞の方が恐ろしい気がする。

 そうは思っていても、外国人が雇用される一方で、職を見つけられない日本人はどのような
感情を抱くか。外国人の上司、富裕層が目立つようになったとき、能力次第だからと素直に
納得できるだろうか。「心配しなくてもいいよ」。もやもやと気をもんでいると、友達と肩を
抱き合う津市の小学生がそう話しかけてきたように感じた。