https://jp.reuters.com/article/global-hedgefunds-fed-idJPKCN1GC1OY

2018年3月1日 / 00:34 / 8時間前更新
Jamie McGeever

[ロンドン 26日 ロイター] - ヘッジファンドら投機筋は、米国金利が上昇すると見込んで過去最大の短期的な賭けに打って出ている。これは2月、ボラティリティーの急上昇によって生じた市場の混乱が、完全に収束した明白な兆候だ。

シカゴ先物取引所におけるポジションデータによれば、投機筋は米株式市場のボラティリティーが低下するだろうと踏んで、投資ポートフォリオを緩やかに再編成しつつあり、これもまた、世界規模でハイリスク資産市場を支える材料となる可能性がある。

市場が取り戻した冷静さがいつまで続くかは依然不透明だ。だが、短期筋(ファスト・マネー)投資コミュニティは、米国経済のしっかりした成長が徐々にインフレ圧力と利上げニーズを高めていくとの「ゴルディロックス(適温)」シナリオへと急速に回帰しつつある。いずれも、市場のボラティリティーが低いことを前提とした話だ。

数週間前、世界市場は急激な株価変動に巻き込まれた。米国の賃金上昇を示す指標が、米連邦準備理事会(FRB)が立ち遅れており、予想よりもはるかに積極的に借入コストを引上げる必要が生じているのではないか、という懸念に火をつけたためである。

ボラティリティーは即座に急上昇し、世界の株式市場は4兆ドル(約430兆円)もの価値を失った。皮肉にも、これによって突然、FRBが利上げのサイクルを延期、もしくは減速するかもしれないという可能性が生じたのだ。

シカゴ商品取引所とシカゴオプション取引所での最新のポジションデータは、金利予測が確実に混乱前の状況に戻ったことを示している。実際、そもそも金利予測は本当の意味でブレてはいなかったのだ。

商品先物取引委員会によれば、ユーロドル先物における投機筋の正味ショートポジションは、2月20日までの週で、過去最高の約定となる365万件にまで上昇。これは前週時点を24万5000件以上も上回っており、次回データであと4万1934件増えるだけで、この2月は利上げに向けた賭けへ、過去最大の月間シフトを示したことになる。

特定資産に関するショートポジションとは、実質的に、その価格が下がることに賭けるという意味だ。金利と債券市場においては、価格は利回りと逆に動く。つまり、ここでのショートポジションは実質的に、借入コストが上昇するという賭けである。

FRBが3月20日─21日の政策会合で利上げに踏み切ることは、ほぼ確実と市場は見ている。現在のサイクルで6回目の利上げとなり、市場は今年あと2回の利上げを織り込んでいる。2月初めにイエレン前議長の後任としてFRBのトップに就任したパウエル議長にとって、これが最初の政策会合となる。
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