厚生労働省は2日、ソフトコンタクトレンズが装着されたまま脳死判定をし、心臓や肝臓などとともに眼球を摘出した可能性がある事例があったと発表した。同省によると、兵庫県内の県立病院で昨年8月にくも膜下出血のため脳死判定を受けた40代の女性。摘出された眼球はコンタクトレンズが着いたまま県内のアイバンクに提供されたとみられる。アイバンクからの連絡でわかった。

 同省研究班のマニュアルは、脳死判定に必要な角膜反射の検査時には「角膜を露出させる」としている。コンタクトレンズが着いたまま検査すれば伝わる刺激が弱まる恐れがあり、不適切だ。しかし他の検査は適切に実施されており、同省の専門家会議は「判定は妥当」と結論づけた。女性の脳死判定をした医師は判定時にコンタクトがついていたかについて、「わからなかった」と話しているという。

 女性の眼球や心臓、肝臓などは第三者に提供された。同省は、臓器提供をする施設にマニュアルの徹底を求める通知を出した。


朝日新聞DEGITAL 2018年3月2日20時21分
https://www.asahi.com/articles/ASL32533HL32ULBJ00G.html