http://www.sankei.com/smp/life/news/180305/lif1803050028-s1.html

 ニホンザルが温泉に漬かる光景が人気の北海道・函館市熱帯植物園で、ボスザルが不在という異例の事態が2年以上続いている。3匹の雄が候補だが、笠井佳代子園長は「どの雄も雌に人気がなく、なんだか頼りない」と気をもむ。

寒さが厳しい2月のある日、屋外に設けられたサル山では、近くの湯の川温泉から引いた湯でサルたちが体を温め、くつろいでいた。同園のサル山は、1971年に約20匹の群れから始まり、現在はその子孫約80匹が暮らす。

 東京・上野動物園によると、サルの群れでは、けんかの強さや周囲の信頼が順位を決める大きな要素となる。雌の場合は母親の強さも重要で、順位の高い雌がボスになることもある。

 サル山など餌に困らない環境では順位付けの必要がなく、ボスが決まらないことも。ただ、函館市熱帯植物園は原因を特定できていない。20年近くサルを世話してきた飼育員の吉村義弘さん(78)は「こんなに長期間ボスがいないことはこれまでなかった。いつかお客さんにボスを紹介したいのだが」ともどかしそうな様子だった。

♀の毛繕いをするボス候補の♂
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