http://www.nara-np.co.jp/20180307085747.html

 鳥獣保護を目的とする県の秋の放鳥事業で、昨年10月に、県猟友会(中川徹会長)ナンバー2の副会長(会計担当)で鳥獣保護管理員の春田長嗣氏=奈良市二名3丁目=が、県から放鳥委託されたニホンキジの大半を着服していた問題で、県は「事実関係を確認して適切な対応をする」としていたが、発覚から2カ月以上経過しても、いまだに進展がない。こうした中で春の放鳥が、きょう7日に奈良市虚空蔵町の弘仁寺集合で予定されていた。この間、関係者から「真相解明ができないのになぜ実施するのか」と、批判の声があがっていたため、県は6日までに、関係者に対して急きょ、延期の連絡をしていたことが分かった。真相解明が急がれるが、県に対して虚偽の報告をしてきたとみられる正副会長の責任問題去就も焦点となる。

 県担当者は「(今年に入ってから、キジの着服問題で)1月中に複数の関係者から話を聴いた」といい、中川会長や当事者の春田氏から事情を聞いたかどうかは「答えられない」としている。特に事実関係の内容、認否についても「言えない」としており、極めて形式的だったことがうかがえる。刑事訴訟法239条第2項の「公務員の告発義務」を無視した問題意識の欠如が会員らから指摘されている…

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