3/8(木) 10:34配信 毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180308-00000019-mai-soci
 ビタミンDが十分に取れている人は、不足気味な人に比べ、がんになるリスクが2割程度低くなるとの研究結果を
国立がん研究センターの研究グループがまとめ、8日付の英医学誌「BMJ」電子版に発表した。ビタミンDとがんとの
関係を調べた研究では最も規模が大きいという。

 採血に協力した全国の40〜69歳の男女を2009年までの約20年間追跡。がんになった人を含む計約8000人について、
保存していた血液中のビタミンD濃度とがん発症との関係を調べた。ビタミンDの血中濃度が低い人から高い人へと四つの組に分け、
最も低い組を基準とした場合、2番目に低い組はがん発症のリスクが19%低下、2番目に高い組は25%低くなった。最も高い組も22%低下した。

 がんの種類では、肝臓がんでリスクの低下が大きかった。肝臓がんは肝炎から進行するため、
ビタミンDの炎症を抑える作用などがリスクを下げる可能性があるという。

 ビタミンDは魚類やキノコ類に豊富に含まれるほか、日光に当たると体内で作られる。
同センターの山地太樹・分子疫学研究室長は「ビタミンDの摂取は食事のバランスに加え、適度な日光浴が重要だ。
ただ、血液中のビタミンD濃度が高ければ高いほどよいわけではなく、
サプリメントなどで過剰にとる必要はないだろう」と話している。【下桐実雅子】