リニア中央新幹線建設工事をめぐるゼネコン大手4社による談合事件で、大林組の元副社長(67)が、東京の中堅ゼネコン担当者に対し、
東京都町田市の非常口新設工事の受注を目指す準大手ゼネコンとは共同企業体(JV)を組まないよう要求していたことが5日、関係者への取材で分かった。
入札を見送らせ、鹿島建設の受注を確実にするためだったとみられる。

大林組元副社長は、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で東京地検特捜部に逮捕された大成建設元常務執行役員の大川孝容疑者(67)と
早大理工学部の同級生で、大川容疑者とともに今回の事件で中心的役割を果たしたとみられている。

関係者によると、大林組元副社長は中堅ゼネコンの担当者に対し、独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(JRTT)が
発注した「小野路非常口他」工事について、準大手ゼネコンの社名を挙げ、「入札ではあの社とはJVを組まないように」などと迫ったという。

この非常口工事は、圧縮空気を送り込んで地下水を排除しながら掘削するなどの工法が指定されており、JVを組むことができる中堅ゼネコンは
事実上数社に限られていたという。
このため、この中堅ゼネコンが元副社長の要求に従いJV不参加を決めれば、準大手ゼネコンは入札参加が困難になるところだった。

https://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/180306/evt18030609140014-n1.html

リニア中央新幹線工事を巡る入札談合事件で、東京地検特捜部に独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で逮捕された大成建設元常務執行役員の大川孝容疑者(67)が、
逮捕容疑とは別の品川駅の一部工事で、入札に参加を目指す準大手ゼネコンに対し、参加しないよう働き掛けた疑いのあることが、関係者への取材で分かった。

大川容疑者と大林組、鹿島、清水建設の大手ゼネコン四社の担当者が、事前に合意していた受注予定社が落札できるよう、他社を排除しようとした可能性がある。

大川容疑者らは、逮捕容疑となった品川駅の北工区と南工区の工事で、清水建設を中心とする共同企業体(JV)、
大林組のJVがそれぞれ受注することで受注調整していた疑いが持たれている。

準大手ゼネコンの関係者によると、この二工区とは別の品川駅工区を巡っては、大川容疑者が入札前、参加を予定していた準大手の幹部を呼び出し、
「入札から降りてくれ」と働き掛けたという。準大手はこれに応じることなく入札に参加して受注した。

また、東京都内の別の工事で、大林組の元幹部が中堅ゼネコンに対して、この準大手とJVを組まないよう迫ったという。
受け入れなかった中堅は予定通り、準大手とJVを組んで入札に参加した。
準大手の関係者は「JVを組めなくさせ、入札に参加できなくなることを狙って言ったのだろう」と話す。

特捜部は、逮捕容疑の二工区とは別の品川駅工区についても、四社の間で受注予定社を事前に決めていた疑いがあるとみて捜査を進めるもようだ。
大成建設の広報室は「捜査中につき、回答は差し控えさせていただきます」としている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018030602000159.html