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2018年3月16日 / 03:06 / 10時間前更新
Jennifer Saba

[ニューヨーク 15日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 玩具販売チェーン大手トイザラスが米国から姿を消す。昨秋、連邦破産法第11条の適用を申請し、経営再建を進めていたトイザラスだが、15日になって米国内の700店舗超を閉鎖し、米事業を清算すると発表した。債権者との債務再編交渉が難航したほか、買い手を見つけることもできなかったからだ。

米ネット通販大手アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)が老舗玩具店の衰退に一役買ったことは確かだ。だが致命傷だったのは従来型の小売戦略や財務リスクであり、トイザラスは自らの首を絞める結果となってしまった。

トイザラスを巡っては、投資ファンドのKKR(KKR.N)やベイン・キャピタル、不動産投資信託(REIT)のボーネード・リアルティ・トラスト(VNO.N)が2005年、総額66億ドルのレバレッジド・バイアウト(LBO)方式で買収し、株式を非公開化した。

その後、投資ファンドの十八番(おはこ)であるコスト削減や売上高拡大といった結果が期待されていたものの、2005年1月から17年1月にかけ、販売・一般管理経費は年間5億ドル程度拡大。半面、年間売上高はわずか3億8500万ドル増にとどまり、期待とは裏腹な結果となった。

年間約5億ドルの利払いも追い討ちをかけ、長期債務残高は昨年の利払い・税・償却前利益(EBITDA)の6倍超に相当する46億ドルに膨らんだ。2017年に3600万ドルの赤字を計上したことも納得がいく。

財務上の問題だけではない。

アマゾンのほか、小売大手ウォルマート・ストアーズ(WMT.N)やターゲット(TGT.N)による追撃も激しかった。競合他社は積極的な玩具販売価格の値引きを展開し、ネット通販拡充にも注力した。

トイザラスもネット通販事業に乗り出したが、立ち上げ初期に失態が重なったほか、その後締結したアマゾンとの提携も不発に終わった。

また、電子機器が人形やおもちゃの車、ボードゲームにとって代わり、子どもたちの遊びのトレンドも変化した。
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