福井県敦賀市の角鹿中で40年以上続けられている「無人購買」がこのほど、売上額と入金額がピタリと合う“収支プラマイゼロ”の連続日数が2000日を達成した。生徒は「学校全体が強い信頼で結ばれている証し。今後も途切れさせたくないです」と喜んで話していた。

 同校では、購買室の有人営業が終わる午前7時45分ごろ以降も利用できるように、1972年から無人購買「小さな信頼の店フレンズ」を開始。休日や学校行事の日を除いて毎日営業している。

 有人営業後は生徒玄関脇の購買室の前に消しゴムやノート、半紙などの学用品を載せたワゴンが置かれる。生徒は名前や買った商品と個数、支払額などをノートに記入して、代金を金庫に入れていく。営業は給食を終えた昼休みまで続く。

 売上額と入金額、商品の残り個数の集計は購買委員が6限後の清掃の時間に確認。お釣りが発生した場合は、放課後までに購入者に渡す。

 今回の記録がスタートしたのは2006年11月8日。今年1月12日に2000日に達した。最長記録を継続している。

 今回は2000日達成を記念して、岩崎一男校長から、「2000」と印字された三色ボールペンを生徒全員にプレゼントされた。また、美術部による達成記念ボードも制作された。

 岩崎校長は「無人購買は数多くの先輩たちから脈々と受け継がれてきた伝統であり文化。今回の記録達成は子どもたちにとっての勲章だと思います」とたたえていた。

 購買委員長の生徒(2年)は「自分の代で記録を途絶えさせないようにと少しプレッシャーだったけど達成して良かった。角鹿中のみんなで手にした記録です」と誇らしげに話していた。

2018年3月17日 午後5時00分
福井新聞
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/306729?f=c