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3月24日 2時13分
アメリカ軍は、南シナ海に中国が造成した人工島の周辺の海域で「航行の自由」作戦を実施し一方的な主権の主張を認めない姿勢を示す一方、中国国防省は、「違法な挑発には断固として反対する」と反発し、南シナ海を巡る両国のあつれきが続いています。

アメリカ海軍の当局者は23日、南シナ海の南沙諸島、英語名・スプラトリー諸島にあるミスチーフ礁に中国が造成した人工島の周辺で「航行の自由」作戦を実施したことを明らかにしました。

それによりますと海軍のイージス駆逐艦「マスティン」が人工島の周りで領海と同じ範囲の12海里のなかを航行したということです。

アメリカは、海洋権益を巡る主張が国際法で認められる範囲を越えていると見なした場合にこの作戦を実施していて、今回は中国の一方的な主権の主張を認めない姿勢を改めて示したかたちです。

これに対して中国国防省の任国強報道官は談話を発表しアメリカ軍の艦艇が中国が主権を主張する海域に許可無く入ったとした上で、「航行の自由の名を借りた違法な挑発で、地域の平和と安定を脅かすことに断固として反対する」と強く反発しました。

また中国国防省は、中国海軍が近く南シナ海で実戦的な訓練を行うと発表しました。発表では訓練は特定の国家を想定したものではないとしていますが、アメリカ軍をけん制する狙いもあるとみられ、南シナ海を巡る両国のあつれきが続いています。