◇国を相手に損害賠償を求めて東京地裁に

 10代で不妊手術を強制されたとして、国を相手に損害賠償請求訴訟を起こす東京都の70代男性が25日、都内で記者会見を開き「子どもをつくれなくされ、苦しい人生だった。(国は)私の体を返してほしい」と訴えた。男性は4月にも東京地裁へ提訴するという。

 男性は会見で「仙台市の児童施設に入所していた57年ごろ、施設職員に連れられ、同市内の病院で手術を受けた」と説明。手術の目的を聞かされなかったが、男性の姉は「(生前の)親から弟の受けた手術は不妊手術だったと聞いた」と証言しているという。

 男性は2月、宮城県に手術記録の開示を求めたが、県は文書保存期間の満了を理由に「(記録は)存在しない」と回答。今月20日に医師の診察で不妊手術の痕とみられる下腹部の手術痕を確認した。

 男性を支える仙台弁護士会の新里宏二弁護士は「手術記録の多くが破棄された中で、男性の提訴は救済の幅を広げる試金石になる」と指摘した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180325-00000077-mai-soci