◆Twitterで「いいね」をクリックしただけで勤務先のホテルを解雇されてしまった男性

ツイッターの「いいね」ボタンは、他人のツイートが気に入ったときにクリックするもの。
しかし、他の人に対象ツイートを広めたくなくても、「いいね」をクリックしたツイートがフォロワーに知られてしまうなどの問題点も指摘されており、Twitterは「ブックマーク機能の導入」を決定するなどの対策を取っています。
そんな中、「うっかり『いいね』を押しただけで会社を解雇されてしまった」という男性の話が話題になっています。

「いいね」ボタンのせいで解雇されてしまったのは、マリオット・ホテルに勤めるロイ・ジョーンズさん。
ジョーンズさんはネブラスカ州オマハにあるマリオット・ホテルのオンラインカスタマーセンターで、ホテルの公式Twitterアカウントに寄せられた世界中の顧客に対するクレームや質問に対応する仕事を行っていました。

「私は全ての顧客に対し、誠実に対応していました」と語るジョーンズさんに悲劇が訪れたのは、2018年1月9日の深夜でした。
ジョーンズさんはいつものように、「予約が取れなかった」「シンクに髪の毛が残っていた。賠償としてホテルのリワードを1000ポイント要求する」といった顧客の対応に追われていたとのこと。

そして、マリオット・ホテルはその時期にTwitter上で「NFLに関するアンケートに答えてくれたTwitterアカウントにホテルのリワードポイントを進呈する」というキャンペーンを行っており、ジョーンズさんはキャンペーンに発生した問題の解決にもあたっていたとのこと。
「大量のボットを作成してアンケートに回答し、リワードポイントを売却する詐欺師がTwitter上に現れたのです」とジョーンズさんは語っており、同僚と共にボットアカウントの洗い出し作業を行っていたそうです。
ジョーンズさんはアンケートに全く同じ回答をしたボットアカウントを、マリオット・ホテルの本部へ報告していったそうですが、ボットは次から次へと増えていったため、ジョーンズさんは非常に忙しい状況に陥っていました。

そんな中、ジョーンズさんがマリオット・ホテルのアカウントでTwitter上のボットを探していたところ、たまたまツイートラインに「マリオット・ホテルがチベットを中国とは別に国名リストにのせていることに感謝する」という内容のツイートが流れてきたとのこと。
ジョーンズさんは仕事との関連が薄そうなツイートには注目せず、このツイートのこと自体もよく覚えていないとのこと。

「たぶん、『いいね』の近くにある『無視する』ボタンをクリックしようとしたのだと思います」とジョーンズさんは語っていますが、実際にはジョーンズさんは「いいね」ボタンをクリックしており、マリオット・ホテルの公式Twitterアカウントがチベットの独立を支持しているかのように見える状況となってしまいました。
ジョーンズさんが「いいね」をクリックしたツイートがこれ。

Friends of Tibet congratulate global hotel chain #Marriott International for listing #Tibet as a country along with #HongKong and #Taiwan. pic.twitter.com/SXKWb20v3e? Friends of Tibet (@friendsoftibet) 2018年1月9日

ジョーンズさんもその同僚も、勤務時間中にはうっかりチベット独立支持派のツイートに「いいね」したことに気がつきませんでした。
しかしその後、24時間ほどが経過してジョーンズさんを含む多くの従業員がこの事実に気づいたころには、事態は想像以上に大きくなっていました。

中国はチベットの独立を認めておらず、あくまでも中国の中のチベット自治区に過ぎないとしています。
SNS上で多くのアカウントが「マリオット・ホテルがチベットの独立を支持している」ことに抗議する投稿をしたため、マリオット・ホテルがおそれていた炎上騒動に発展してしまいました。
中国は自国内からTwitterやFacebookに接続することを禁止しているため、これらのアカウントは中国の法を犯してSNSを利用しているとみられるのは皮肉なものです。

写真:http://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/b/d/bd3ac_88_2dfb74744bdbf6b1c3d2e2d2c62aa799.jpg

ライブドアニュース(GIGAZINE) 2018年3月27日 6時0分
http://news.livedoor.com/article/detail/14489210/

※続きます