日本経済新聞 2018/3/29 15:48 (2018/3/29 16:20更新)

東京都は29日、1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた建築物の耐震診断結果を公表した。
震度6強以上の地震で倒壊の危険性が「高い」建物は156棟に上る。危険性が「ある」建物を含めると、調査対象の3割にあたる251棟で倒壊の恐れがある。
近い将来に発生が予測される首都直下地震を前に、東京の脆弱さが浮き彫りになった。

耐震診断結果の公表は2013年11月に施行された改正耐震改修促進法に基づく。
旧耐震基準で建てられたホテルや商業施設など不特定多数の人が集まる一定規模以上の施設のほか、災害時に緊急車両が通る道路の沿道建築物などを調査対象とした。
古くからの建築物が多い都内では計852棟が調査対象となった。

このうち震度6強〜7程度の地震で倒壊や崩壊する危険性が「高い」建物は18%にあたる156棟あった。商業施設では紀伊国屋ビルディング(新宿区)やアブアブ赤札堂上野店(台東区)が該当した。
病院では日本大学医学部付属板橋病院(板橋区)などが入った。

倒壊や崩壊の危険性が「ある」建物は11%にあたる95棟だった。中野ブロードウェイ(中野区)やイトーヨーカドー高砂店(葛飾区)などが該当する。
危険性が「高い」と「ある」を合わせると倒壊の恐れがある建物は251棟に達し、調査対象の29%に上る。倒壊の危険性が「低い」建物は584棟で69%だった。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28739040Z20C18A3MM8000/?nf=1