https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180330-00000005-kyt-soci

滋賀県野洲市市三宅の河辺林「野洲川北流跡自然の森」で、カブトムシの幼虫やクワガタの乱獲被害が多発している。
放置竹林をボランティア団体「やす緑のひろば」が10年間かけて整備して豊かな生態系を取り戻した場所で、
ボランティアらは「今後も被害が続けば、カブトムシやクワガタがいなくなるかも」と心配している。
 
自然の森は、野洲川沿いの約4ヘクタールで主に県有地。竹が生い茂り、大量のごみが放置されている現状に
心を痛めた市内の定年退職者ら約10人が「身近な自然を後世に残したい」と整備に取り組んだ。
活動の輪は徐々に広がり、現在は約50人のメンバーがいる。
 
竹を伐採して散策道を整備し、広場を設けて手作りの遊具を置いた。自生していたクヌギやケヤキの芽も守り育てた。
春はタケノコ採り、夏はカブトムシやクワガタ探し、秋はドングリ拾いが楽しめる森へと再生し、地元の園児や児童も
遊びに来るようになった。
 
数年前からカブトムシの幼虫が持ち去られる被害はあったが、昨年11月ごろから一気に被害が拡大した。
越冬のためクワガタが身を潜める樹木を無残に削り取り、土を掘り起こしてカブトムシの幼虫を根こそぎ持ち去るなど、
森のあちこちで荒らした跡が目立つようになったという。
 
熊本正幸代表(69)=同市久野部=は「ここまでひどいのは初めて」と悲しむ。広い森をメンバーだけで見守ることは難しく
「森の存在を地域の人にもっと知ってほしい。遊びに来る人が増えれば、見守る目も増えるはず」と話す。


クワガタが冬眠していた樹木。幹が削られ、根こそぎ持ち去られた(野洲市市三宅)
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20180330-00000005-kyt-000-view.jpg