「ピッチ」と呼ばれ、かつて若者の人気を集めたPHSの一般向けの新たな契約の受け付けが31日で終了することになり、PHSを使っていた世代の人たちからは、惜しむ声などが聞かれました。

通信大手のソフトバンクは、「ワイモバイル」のブランドで国内で唯一手がけてきたPHS事業について、一般向けの新たな契約の受け付けを31日で終えることにしています。
いまの契約者へのサービスは継続するとしていますが、新規の契約の打ち切りによって、PHSの歴史に幕を閉じることになります。

東京・有楽町では、かつてPHSを使っていた世代の人たちから、懐かしむ声や惜しむ声が聞かれました。
初めて買った電話がPHSだったという40代の女性は、「料金が安かったので使っていました。以前使っていたものがなくなるのはさびしいですね」と話していました。
また、個人用と会社用で2台のPHSを持っていたという男性は、「今のスマートフォンは大きいので、仕事用の電話は、PHSぐらいシンプルでもいいのかもしれません」と話していました。

コードレス電話を応用した独自の技術から発展したPHSは、1990年代、若者を中心に人気を集めました。
PHSのサービスは平成7年から始まり、携帯電話と比べた利用料金の安さなどから普及が進んで、平成9年には契約者が700万件を超えました。
携帯電話などの歴史を紹介する東京・墨田区の「NTTドコモ歴史展示スクエア」では、かつて人気を集めたPHSの端末が並べられています。

人気マンガ「ドラえもん」のキャラクターをかたどった端末や、PHSと携帯電話の両方の機能を備えた端末、それに腕時計型の端末なども展示されています。
NTTドコモは平成20年にPHSのサービスを終えていて、館長の廣沢祐輔さんは、「料金の安さもあり、生活に身近なツールとして普及しましたが、携帯電話の機能の充実などを背景に役割を終えました。1人1台電話を持つ時代の到来に一役買ったと思います」と話していました。
PHSは、現在も身近なところで使われ続けていて、携帯電話の使用を避けることが多かった医療機関や、駅員どうしのやり取りなどに使っている鉄道会社の例があるということです。

03月30日 17時37分
首都圏 NEWS WEB
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