◆スイーツ イースター関連商品続々 ハロウィーンに続くか

キリストの復活を祝う祭典「イースター」(今年は4月1日)の関連商品が、今年も続々と登場している。
近年、ハロウィーンに続く一大市場と期待されており、関連商品を出しているメーカーは各社とも売り上げ増を見込んでいる。

■定番の菓子がイースター仕様に

森永製菓は、卵の殻に絵を描く「イースターエッグ」をイメージしたカスタード味の「チョコボール」を発売。
ピーナツではなくビスケットを、カスタードプリン味のチョコレートでコーティングした。
同社マーケティング本部の野条理恵さんは、「もともとチョコボールは卵形のお菓子で、キョロちゃんというキャラクターもあり、イースター商品として展開しやすかった」と話す。

特にこだわったのはパッケージだ。
野条さんによると、イースターの楽しみ方の一つで卵を探すゲーム「エッグハント」から着想したという。
箱全体にカラフルな卵の絵柄を散りばめ、めくってスペシャルたまご(スぺたま)を探す仕掛けを施した。

またイースター関連商品の専用アプリ「キョロちゃん&とと丸エッグハント〜スペたまを探せ!〜」も開発するという力の入れようだ。
スマートフォンのカメラを使い、パッケージから隠れたスぺたまを探すというゲームで、たまごキョロちゃんのスタンプなどがもらえる。
同社はイースター関連商品について、昨年度より20%の売り上げ増を目指しているといい、野条さんは「『おっとっと』や『パックンチョ』にもスペたまの仕掛けを施したので、みんなで一緒に探して楽しんでほしい」と話す。

亀田製菓は、イースターの定番料理「デビルドエッグ」をヒントに開発した「たまごサラダ味」などを詰め込んだパック商品「ハッピーターン イースターMix」を販売している。
同社商品開発部の佐久間杏子さんは、「ハッピーターンの味をベースに、たまごサラダ味のパウダーで味付けした。
たまごとマヨネーズの風味を味わってもらえれば」と語っており、関連商品の販売目標について、昨年対比102%を計画しているという。

■高級イースターチョコも

パレスホテル東京(東京都千代田区)は、2500円(税別)の高級イースターチョコレートを発売した。
高さは約15センチで、4〜5種類のパステル調の色合いでイースターエッグを表現。中にはナッツも詰め込んだ。

同ホテルパティシエの窪田修己さんは、イースターチョコに特別な思い入れがあるという。
「初めてパリで修業したとき、一日に何百個もイースターチョコを作り、すべて完売したのを思い出す。
日本ではまだそこまで広まっていないかもしれないが、また手掛けることができてうれしい」。

イースターチョコレートのおすすめの食べ方は、思いっきり割ることだとか。
「卵も割りますよね? それと一緒です。4月1日のイースター当日に割って、みんなで食べてほしい」

■カギは子ども向け商品

ニッセイ基礎研究所の井上智紀・准主任研究員は、「日本人にとってイースターは、具体的に何をする日なのか分かりづらい」と日本でイースターが浸透するのは難しいという。
またイースターは毎年日付が変わるため、日本では定着しにくいともいう。

井上研究員は「特に今年は4月1日で、次の日から新年度が始まるため、イベントとして盛り上げづらい。
日本ではやらせるとしたら、子どもをターゲットにした商品を展開できるかどうかがカギになるだろう」と話している。

写真:https://i.imgur.com/y2nVmdU.png

【ことば】イースター
イエス・キリストが死後に「復活」したことを祝うキリスト教における重要な祝祭。
日本語では「復活祭」と訳される。「春分の日の後の最初の満月から数えて最初の日曜日」と定められており、毎年、日付が異なる。
今年は西方教会では4月1日、東方教会では4月8日になる。
「誕生」や「復活」を表す卵や、多産・繁栄の象徴であるウサギをモチーフにした装飾で部屋を色鮮やかに飾り、家族で食卓を囲むのが一般的だ。
卵を使った料理を食べるほか、イースターエッグを室内に飾ったり、エッグハントなどを楽しんだりする。

毎日新聞 2018年3月30日 11時00分
https://mainichi.jp/articles/20180330/k00/00m/020/067000c