蒔絵と沈金の技法で装飾した輪島塗の釣りざおを手に取る谷内口さん=輪島市マリンタウン
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輪島塗の蒔絵(まきえ)、沈金技法を施した釣りざおのモデルが30日、輪島市マリンタウンの釣具店「シークレット」で披露された。同店が「オリジナルのさおを求める愛好者は多い」とみて、市内の漆器工房や日本製にこだわる熊本県の釣りざおメーカーと共同制作した。今後、受注生産する。海外客にもアピールするため、日本らしさを感じさせる「桜吹雪」を描いており、地元漆器業界の振興に一役買う。

「輪島漆芸ロッド」と銘打った長さ約3メートルの釣りざおは、シークレットが4月の開業1周年を記念して制作した。これまで漆塗りのスピーカーや自転車を手掛けた実績がある同市河井町の「漆夢工房清里」が装飾を担当し、漆で赤く塗ったさおの一部に、蒔絵で桜の花を、点状の沈金で風を表現した。

これまでに横浜、大阪、名古屋で開かれた釣り具の見本市に展示され、来場者からは「伝統工芸を施したさおは珍しい」と注目を集めた。シークレットでは5月の大型連休まで展示する。

同店の谷内口冬馬(とうま)代表(33)によると、輪島塗の箇所は水や紫外線による剥がれ、色あせの検査をしても問題はなく、「釣り愛好者のコレクションや鑑賞用として最適だが、実際に使うことができる」と話した。

2018/03/31 02:08
北國新聞
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