旧暴力団事務所とは想像もつかない落ち着いた室内。多目的ホールでは美術家の作品が展示されていた=1日午前
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茨城県守谷市にある指定暴力団松葉会の旧事務所が、市民活動の拠点となる施設「市民交流館」として生まれ変わり、1日に開館した。「暴力団追放」に地域住民も立ち上がる中、反社会的勢力の排除のために市が建物を取得し、改修を進めてきた。旧事務所は「モリヤガーレ」に命名され、社会の敵のイメージは完全に払拭されている。

 施設は延べ床面積約561平方メートルの平屋建て。外観そのものは変えず、屋内に多目的ホールや和室2間、事務室などを設けた。体の不自由な人も利用できるようバリアフリー化し、多目的トイレを整備した。経費は備品も含め約4千万円。愛称は市が募集し、寄せられた30点の中から市内在住の麻生まり子さん考案の「モリヤガーレ」に決定した。「守谷」と「盛り上がれ」をかけたという。

 この日の式典には、暴力団追放に取り組んだ市の関係者ら約100人が集まった。テープカットに続き、市立守谷中吹奏楽部の演奏で開館を祝い、施設内をお披露目した。式典で松丸修久市長は「この交流館が市民に広く知れ渡り、文化の中心として活用されることを期待したい」と語った。

 建物の取得をめぐっては、登記上の所有者である建設会社側と松葉会が所有権を争う訴訟で、会社側が1億2千万円を支払い、松葉会が撤退する内容で和解が成立。市が諸経費を含む1億3千万円で土地と建物を買い取り、平成28年2月に引き渡された。

 市によると、旧事務所は24年9月ごろに完成し、松葉会が月1回ほど会合に使用。地域住民らの抗議運動などが展開されていた。(海老原由紀)

2018.4.1 16:53
産経ニュース
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