輪王寺の強飯式。山盛りの飯を差し出し、頂戴人を責める修験者姿の僧侶ら
https://www.sankei.com/images/news/180402/lif1804020028-p1.jpg

 世界遺産「日光の社寺」の一つ、栃木県日光市の日光山輪王寺(りんのうじ)で2日、修験者姿の僧侶が山盛りの飯を差し出し、「75杯、残さず頂戴(ちょうだい)しろ」と責め立てる独特の伝統行事「強飯式(ごうはんしき)」が行われ、大勢の参拝者が見守った。

 「平成の大修理」のため平成25年から閉鎖していた本堂(三仏堂)の内陣参拝が3月下旬に再開。この間、強飯式は大護摩堂で行われており、三仏堂での開催は6年ぶりとなった。

 午前の第一座には、財界人ら6人が強飯頂戴人として裃(かみしも)姿で登場。三升飯を高々と盛った黒椀(わん)を差し出す修験者が「頭が高い」「1杯2杯にあらず75杯、頂戴しろ」と独特の口上で責め立て、頂戴人は椀を頭の上に乗せてひれ伏した。

 強飯式は、奈良時代末に勝道上人が日光を開いた後、山で修行した修験者たちが持ち帰ったお供え物を人々に分け与えたことが始まりとされている。

 頂戴人や参列者には無病息災や商売繁盛の御利益があるとされ、最後は、授かった福を分け与えるという「縁喜(えんぎ)がらまき」があり、修験者と頂戴人が一緒になって壇上から参拝者に菓子などをまいた。友人らと強飯式を見ていた日光市の70代の女性は「七難を避けて七つの福をいただけると、20年以上見に来ている。(仲間は)みんな幸せ」と話していた。

2018.4.2 12:43
産経ニュース