“シニア歓迎”の職場、増えてます 体力、気力に見合ったペースで
2018.4.2 12:58
http://www.sankei.com/smp/life/news/180402/lif1804020030-s1.html

 就労意欲はあるけれど、フルタイムや遠い勤務地は無理−。そんなシニアが体力・気力に応じて、近所でマイペースに働ける職場づくりが広がっている。
時間はあるのにお財布に余裕がなくなってしまう年金生活者にとっては、趣味に使うお小遣いが得られるとして好評のようだ。(津川綾子)

 70歳以上大歓迎、時給千円−。「日本洗車技術指導協会」(東京都千代田区)はシニアの働き手を募ろうと、今年1月、洗車スタッフ募集のチラシに目立つ色文字でこう記し、川崎国際生田緑地ゴルフ場(川崎市)周辺の住宅に配った。

 この募集などに応じて集まったスタッフは、平均年齢69・2歳の男性10人。金融マン、大手流通の管理職、航空会社のエンジニア…と職歴ばらばらのシニアたちが、今年2月から同ゴルフ場の駐車場などを拠点に、1台1800〜2800円の料金で洗車を請け負っている。

■「近所」で「短時間」

 勤務条件は基本的に徒歩か自転車で通勤可能なこと。年齢に上限はない。

 「やっと僕みたいな高齢者の働き場所ができた。ゴルフ場まで歩いて10分、通勤はいい運動になる。ずっと家にいるといろいろあるから…。働くようになって家内も喜んでいますよ」と、川崎市多摩区の間庭国広さん(73)。

 洗車は比較的体力を使うが、同協会は水洗い不要のオリジナル洗車剤を開発し、作業を軽減。また転倒の危険がある脚立はなるべく使わず、ルーフ(天井)は柄の長いモップで拭くなど、シニアが働きやすいように工夫されている。

 1日に2、3台を担当し、1台を30〜40分かけてピカピカに拭き上げる。間庭さんは2月、4日出勤して約2万円の収入を得た。「この仕事でご近所の仲間もできた。暑くなったら飲みに行きたいですね」と笑顔を見せた。

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