http://www.sankei.com/smp/west/news/180405/wst1804050082-s1.html

 「きれいな下着がヒラヒラ、痴漢の心はムラムラ」「肌を露出した服装は痴漢も大好き」。痴漢に遭わないための行動や服装について、女性向けに啓発する兵庫県警のホームページ(HP)上の文章表現が、閲覧者から不適切との批判を受け、削除されたことが5日、県警などへの取材で分かった。

 県警が削除したのは「女性の安全〜痴漢にあわないために」との表題のページで、在宅時や外出時の被害を防ぐための具体的な心掛けを列記。この中で、屋外に洗濯物を干す際の注意喚起として「きれいな下着が風に吹かれてヒラヒラ、痴漢の心はそれにつられてムラムラ。せっかくの高級下着が盗られちゃったと泣かないよう、外から手の届く所には干さないで」と記していた。

 外出中の服装については「肌を露出した服装は魅力的、でも痴漢もそんな服装が大好き」とし、露出を抑えれば被害に遭いにくくなるとも読める内容が書かれていた。

 県警生活安全企画課によると、約10年前から公開されていた。今月に入り、閲覧者から「表現が軽いのではないか」などのメールが複数届き、3日に全文を削除した。

 同課は、詳細な表現の確認をしていなかったとし「誤解を招くような古い表現もあった。時代に合った内容に作り直す」としている。

 性暴力事件を多く担当している雪田樹理弁護士は「被害者の行動に問題があるとする『強姦神話』に基づく内容。被害者を守るという警察の仕事に矛盾し、女性は責められると思い、通報をためらうだろう」と指摘している。