日産 初代リーフ
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■日産、福島県浪江町で世界初のEV向け交換用再生電池を製品化

日産は、住友商事との合弁会社フォーアールエナジーで、電気自動車(EV)の使用済みリチウムイオンバッテリー再利用および再製品化に特化した工場を、福島県双葉郡浪江町に開設した。EV向け交換用再生電池の製品化は世界初の試みとなる。

EVなど大量にバッテリーを搭載する電動車両の普及は今後爆発的に進むものと思われるが、EV用大容量バッテリーの再利用・再製品化自体はまだまだ方法論も確立されていない。そんな中、世界に先駆けてEVを量販した日産が一歩先を見据えて手掛ける施策だけに、内外からもアツい注目を集めている。

福島・浪江町で再生されたリユースバッテリーは、初代リーフユーザーにとってどのような存在となるのか。レポートしてくれたのは、実際に先代リーフを購入した自動車評論家の国沢 光宏さんだ。

デビューから7年が過ぎた日産 初代リーフは、特に初期モデルを中心にバッテリー能力が低下しつつある個体も出てくる頃。そのことがリーフの下取り価格や中古車相場などにも少なからず影響を与えており、オーナーから問題視する声も出始めている。そんな中、今回の発表が与える効果は思いのほか大きく、実際の中古車相場が早くも変化しはじめていると日産では説明する。

さて国沢さん、リユースバッテリーと新品バッテリー、結局どっちが買いなんですか!?
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リーフオーナーの国沢光宏氏、日産のリユースバッテリーを徹底評価する!

先代の日産 リーフ、中古車価格が極端に安いのは、バッテリー寿命の不安を抱えているからだ。実際、初期型リーフだと満充電しても表示される航続距離で100km前後。60kmくらい走ったら、早くも「充電してください」と警告されてしまう。かといってバッテリー交換しようとしたら60万円コース。

中古車価格が安いということは、下取り価格も安い。かくして初期型リーフを買った人は、航続距離短くなった状態で乗り続けるか、捨てたも同然の価格で下取りに出すかの二択になってます。そんな中、突如日産がリユースバッテリーを新品の約半額となる30万円で販売すると発表した。
(新品価格は24kWh:65万円・工賃別)

果たしてこのニュース、初期型リーフユーザーの福音となるだろうか?

■新品とリユース品、どっちを選ぶか悩ましい!

詳しく調べてみたら、少しばかり「う〜ん!」という内容だったりして。

というのも30万円のバッテリー、あくまで中古品。新品じゃない。廃棄されたバッテリーを分解し、まだまだ使えそうなセルだけ集めて作り上げたものなのだ。

当然ながらバッテリー容量は新品から大きく落ちる。日産のリリースだと『新品は12個のセグメントが点灯しています。リユースバッテリーの場合、10個のセグメントを保証します』。初期型リーフのセグメント、10個になった段階で容量78.75%以下になってしまってます。9個だと72.5%以下。

つまり10個保証だと72.5〜78.75%のバッテリーが30万円ということになるワケ。

真ん中を取って約75%のバッテリーだとしよう。

1年で1万km走ると3%程度劣化する。リユースバッテリーに交換後、1年すればセグメント9個となる可能性大。

文頭に書いた通り、リーフはバッテリー容量が65%以下になったら航続距離短くなって使いモノならなくなる。30万円のリユースバッテリーだと10%劣化したら、また交換しなければならない。

だったら新品バッテリーを60万円で交換し、65%になるまで使った方がリーズナブルなように思う。
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はじめの一歩は大いに評価、だが更に進化したバッテリー換装にも期待したい

今まで初代リーフユーザーに対し、バッテリー交換に対してゼロ回答だったことを考えれば「進化した」と評価することも出来るけれど、やはり抜本的な解決策にならないと考える。

出来れば今後は、新型リーフに搭載されている40kWhバッテリーのセルを24kWhにダウンサイジングするなどして、バージョンアップしたバッテリーも初期型リーフへ搭載出来るようにして欲しい。

[レポート:国沢光宏/Photo:オートックワン編集部・日産自動車]

4/6(金) 6:31
オートックワン
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