福島県浪江町が町民約1万5千人の代理人となり、東京電力福島第一原発事故の慰謝料増額を求めていた和解申し立てで、国の原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)が6日、町と東電に和解手続きの打ち切りを伝えた。

 決定は5日付。原発ADRは「東電が和解案を拒否し、和解の実現が困難なため」と説明。町民は今後、正式に裁判を起こすかどうかの判断を迫られる。

 町は2013年5月、原発ADRに和解の仲介を申し立てた。参加したのは町の人口の7割にあたる約1万5千人で、原発ADRは14年3月、1人月10万円の慰謝料を一律で5万円増やす和解案を示し、町は受け入れを表明。東電は賠償の公平性に問題が出るなどとして拒否していた。

 東電は「一律に追加の賠償は困難。引き続き個別の請求ごとに対応したい」とコメントした。(奥村輝)

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