■野党とマスコミが嫌い

取材をする中で多く聞かれたのが、野党とマスメディアへの不信感の強さだ。
話を聞いた6人中4人が野党あるいはマスコミが信用できないので安倍政権を支持する、と理由を挙げた。

教養学部3年・地方公立高校出身

東大生はテレビなどでネタにされることが多いので、普通の視聴者以上に(マスコミの)切り取り方や編集の仕方を意識し、
マスコミの報道姿勢への批判が根強い気がする。

今回も、朝日新聞がスクープを取った調査力はすごいと思うものの、そこに執着している姿は「朝日新聞の改憲潰し」では、と思ってしまう。
安倍政権を倒すためならなんでもいいんだ、という姿勢がイヤ。

今回、文書が出たことで(安倍首相が)圧力を加えた、という関与がなかったことが逆に立証されたと思う。
行政文書の書き換えに関しては(安倍政権に)責任はあるけれど、森友問題に関しては官僚が勝手にやったことなのでは、と思う。
土地取引に関して今さら掘り返して議論するのは、どうでもいいなという気がする。

法学部4年・都内私立高校出身

改ざんが官邸等の指示があったのかは分からないが、ぶっちゃけ(安倍政権は)元々強権的なところもある。
報道を見ただけでは、そんなに印象は変わっていない。

メディアが盛ってるんじゃないかと最初に思ってしまうくらいに既存メディアへの不信感はある。
公文書改ざんは問題で、議会制民主主義の根幹に関わることではある。一方で、安全保障上の危機は世界レベルで高まっていて、
国内でゴタゴタしている場合でもないとは思う。

一連の森友学園問題が民主主義の危機という人たちがいるが、そういう人たちが果たして本当に民主主義のことを考えているのか疑問。
安倍政権を終わらせることしか考えてないように見える。
仮に終わって、その後どうするのか。全くビジョンがない。(安倍首相は)問題があるなら真摯に反省しつつ、日本のために頑張ってほしい。

■「安倍政権への評価は変わらない」という回答も目立った。

法学部卒・関東地方私立高校出身

政治と行政の究極的な役割が国民の幸福を実現することである以上、政治家に求められる最も重要な素養は、政策とその実行力。
透明性や政治家個人の人格的高潔さなどは、その次に考慮する部分だ。

その点、現政権は過去20年の政権に比べて(少なくとも統計上は)経済政策において結果を出していることは明らか。
仮に現政権を退陣させても、その代わりを担い、少なくとも現状維持が可能な新政権が誕生する可能性は低い。

決裁文書改ざんは決して是認されるべきではないが、政治は他にいくらでもやるべきことがある。国会が森友問題一色になることで、
国民の利益は損なわれ続けている。

工学系研究科卒・関東地方公立高校出身

自分が中高生くらい(2009年頃)のときに「官僚制度が腐敗し、政策立案の力がない」と言われ「官僚主導から政治主導へ」が叫ばれた。
森友問題は安倍政権固有の問題というよりは、官僚と政治の関係が変わり、“政治主導”に移行する中で、まだ制度が整っていないことから生まれた、
より本質的な問題ではないか。

もちろん決裁文書改ざんは決してあってはならないことだが、麻生財務相や安倍首相が責任を取って辞めるべき、
といった安易な責任論には違和感を覚える。
これで政治の力が弱くなったら官僚主導に戻るだけ。全てをリセットするよりは、外部のチェック機能を働かせ、
現政権を監視していく体制を考えていくべきだ。

■よく知らないので答えられない

工学部4年・地方公立高校出身

森友学園関係のニュースをほとんど見ていないし、よく知らないからあまり答えられない。
ただ、限りある国会の時間で何をするべきか考えたとき、森友学園問題に時間を割くことが有意義なこととは思えない。
批判だけではなく、建設的な議論をするべきだ。