https://jp.reuters.com/article/us-election-poll-idJPKBN1HG39Q

2018年4月10日 / 01:28 / 6時間前更新
[9日 ロイター] - 2016年の米大統領選でトランプ氏の勝利を支えた、教育水準の高い高齢の白人有権者が、今年に入って急激に共和党支持から民主党支持へと鞍替えしていることが、ロイター/イプソスの世論調査で明らかになった。

この流れが続けば、共和党は11月の中間選挙で議会での過半数議席の維持に苦戦し、トランプ氏は法案の成立が困難になりそうだ。

ロイターとイプソスが今年1─3月に実施した全国調査によると、大学を卒業した60歳以上の白人層では、民主党支持が共和党支持を2ポイント上回った。2016年同期は共和党支持が民主党支持を10ポイント上回っていたため、民主党側に数字が12ポイント動いた計算となり、過去2年間で最大級の変動を示している。

バージニア大学のラリー・サバト氏(政治学)は「高齢の白人は共和党の中核的な支持層だ。本当にこの有権者層を失えば、共和党は大きな津波にさらされるだろう」と指摘。「この傾向が(中間選挙が行われる)11月まで続けば、共和党は終わりだ」

このような支持者離れについて、共和党全国委員会のマクダニエル委員長は堅調な資金集めを引き合いに出し、同党が激戦州で選挙活動に力を入れていると強調。「われわれは1票たりとも軽んじてはいない」と声明で語った。

ニクソン政権時代から共和党を支持してきたというアリゾナ州ツーソン市在住のジョン・カムさん(63)は、11月の中間選挙では民主党議員に1票を投じると話す。健康保険や税制改革において、共和党の方針に賛成できないという。また、党が反対している銃規制措置をカムさんは支持している。

「自分は穏健な共和党支持者だ。しかし、党はそこから離れていっている。だから、穏健な民主党議員に入れる」とカムさんは語った。

医療に不安を感じているのはカムさんだけではない。過去2年間のロイター/イプソス調査によると、最も関心の高い問題として医療を挙げた高学歴の高齢層は8%から21%へ3倍近く増加している。

高学歴の高齢層は投票率が高いことを考えると、共和党離れの影響はあなどれない。彼らは激戦州でも相当な割合を占めている。

彼らの投票動向によって、激戦が予想される26の選挙区の結果が決まる可能性がある。ロイターが米国勢調査データを分析したところ、高学歴の高齢層はこうした選挙区で約5─10%を占めていることが明らかとなった。民主党が下院を支配するには24議席必要となる。