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全国で唯一の刑務所の中の中学校で入学式が行われ、正式な入学者は1人で1955年の開校以来最も少なくなりました。

松本市立旭町中学校桐分校の入学式は松本少年刑務所の体育館で行われました。

今年度の入学者は義務教育を終えていない本科生の50代の外国籍の男性1人で、聴講生の20代の日本国籍の男性とともに式に臨みました。

聴講生制度は義務教育を修了したものの実質的には十分な教育を受けられなかった受刑者を対象に、8年前から導入されています。

中林勝彦学校長は式辞で野口英世が自分の弱点をばねに成長をとげたエピソードを語り、「劣等感と己の弱い心に負けないで頑張ってください」と激励しました。

桐分校は終戦間もない頃、当時の少年刑務所の受刑者の8割ほどが義務教育を終えていなかったことから、更生の意欲を高め社会復帰に必要な知識を身につけることなどを目的に1955年に開校しました。

最も多い年には28人が入学しましたが年々対象の受刑者が減少し、今年の入学者はこれまでで最も少なくなりました。

本科生となった受刑者は「私たちは様々な事情から義務教育である中学校を卒業することができなかったり、卒業はしたものの学ぶ機会が少ないまま今日に至ってしまいました。

そのことはいつも負い目となってきましたし、学力不足から社会でつらい思いもしてきました。

人としても成長していきたいと考えています」と決意の言葉を述べました。

桐分校では中学3年分の課程を1年間で学ぶため、生徒は1日7時間の授業と夜の自習に取り組みます。

10日20時56分
SBCニュース
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