法人税は上げても下げてもうまく節税されてしまい、法人税収に直接的な影響でにくい。
日本の法人税率は下がり続けるが、法人税収はそうでもない。


主要税目の税収(一般会計分)の推移 : 財務省
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/011.gif
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/011.htm


前回は、お金を使わずに節税する方法について解説しました。
最終回では、所得税ではなく法人税を納めることで、より多くのお金を手元に残す方法について見ていきます。

これまで日本の法人税の税率は、世界的に見ても非常に高率であるというイメージがありました。
そのため、企業経営者の多くは自身や親族に対して役員報酬・給与を多く支給することで、法人税の節税に努めてきました。
「会社に利益を残して高額の法人税を取られるくらいなら、自分たちの取り分を多くして所得税で支払う方がましだ」という考えからです。

実際、法人税と所得税の損得勘定をすれば、会社から個人に利益を移してしまう方が、結果的にトータルの税額は少なくなり、より多くのお金を手元に残すことができました。

しかし、現在、法人税の税率はどんどんと低下しています。
法人税率の推移を示した以下のグラフをご覧ください。
昭和59年には43.3%だった基本税率は、平成24年の段階では25.5%にまで下がっています。
実に4割近くも少なくなった計算です。
また、中小法人の軽減税率の特例も、昭和59年の段階では31%だったのが、平成24年の段階では19%にまで下がっています。
このような法人税減少の傾向は、近時の税制改正でさらに強まっています。

具体的には、国・地方を通じた法人実効税率は、27年度に32.11%、28年度に31.33%とする予定で、さらに引き続き、28年度以降の税制改正においても、20%台までの引き下げが目指されています。
政府が法人税減税の流れをこのように推進しているのは、外国企業の投資促進や、税負担の軽減により日本企業の業績改善や賃上げを促すことが目的となっています。
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