雨上がり、外に出てふと物陰を見るとのっそりはっている姿に気づきぞっとする−。ナメクジが苦手な人は少なくない。しかしそんな「日陰者」の世界に異変が起こっている。外来種が日本で生息域を広げているのだ。京都大理学研究科の宇高寛子助教は、欧州原産のマダラコウラナメクジの拡大を調べようと情報を収集。実態が白日の下にさらされつつある。
 マダラコウラナメクジは、ヒョウのようなまだら模様が特徴で体長は最大約15センチに達する。日本では2006年に初めて茨城県で生息が確認されたが、全国的な分布調査はなかった。宇高助教は16年1月から、短文投稿サイト(ツイッター)などで目撃情報を募り、分布調査を始めた。
 18年3月までに約300件の情報が集まった。論文報告と合わせ、関東や東北など1道7県で生息していることが分かった。西日本では未確認。宇高助教は「ナメクジは雑食で寒さに強い。予想より広く分布していることが分かった」と話す。攻撃性の強い種なのでほかのナメクジを駆逐している可能性があるといい、今後、全種類の分布調査も計画している。
 ナメクジの謎に挑み続ける宇高助教。さぞナメクジに愛着が深いと思いきや、「もともとはナメクジが好きなわけではないんです」。顔を近づけるのもあまり得意でなく、生態がよく分かっていない無脊椎動物の研究対象として関心があるそうだ。

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