京都大は18日、岡山県浅口市と矢掛町にまたがる山中に建設している東アジア最大級の天体望遠鏡の愛称を「せいめい」に決めたと発表した。

 天文観測のため同市に住んだと伝わる平安時代の陰陽師おんみょうじ・安倍晴明や「生命」にちなんだ。今夏に完成し、8月から観測を始める。

 「せいめい」は、可視光と赤外線の両方で観測する光学赤外線望遠鏡で、京大と国立天文台などが共同開発した。主鏡は東アジア最大級の口径3・8メートルで、わずかな光でも観測することができる。架台はジャングルジムのような構造を採用して軽量化し、超新星爆発など突発的な天体現象にも1分程度で焦点を合わせることができるという。

 昨年10〜12月に愛称を募集したところ、「ももたろう」や「あまてらす」など1036件の応募があり、京大の教員や地元自治体関係者らの審査で、「せいめい」が選ばれた。提案した14人には記念品が贈られ、このうち抽選で1人を7月27日に予定される完成式典に招待する。

 京大大学院理学研究科付属天文台の柴田一成台長は「『せいめい』は、太陽系以外の惑星での生命の探査にも使われるので、ぴったりの名前だ」と話した。


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