アメリカ国務省は、世界の人権状況に関する報告書で北朝鮮の政権が重大な人権侵害を行っていると指摘し、北朝鮮に対し、核・ミサイル開発の問題とともに人権問題も追及していく立場を示しました。

アメリカ国務省は20日、去年1年間の世界各国の人権状況をまとめた報告書を発表し、北朝鮮、中国、ロシア、それにイランの4か国を、市民の人権を日々侵害している不安定勢力だと非難しました。
このうち北朝鮮については、去年、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏が暗殺されたほか、国内では政府の当局者や市民の処刑が不当に行われ、政権が重大な人権侵害を行っていると指摘しています。

記者会見した人権担当のコザック上級顧問は「われわれは核と同様に人権の問題も懸念している」と述べ、トランプ大統領がキム委員長と会談する見通しの中、北朝鮮に対し、核・ミサイル開発の問題とともに人権問題も追及していく立場を示しました。
このほか中国については、チベット自治区と新疆ウイグル自治区で、政府による市民への抑圧が悪化したと批判しました。

一方、記者会見では、人権を重視するアメリカ外交の重要性が報告書のなかで強調されているにもかかわらず、トランプ大統領が国内でフェイクニュースとメディアを攻撃し、移民に不寛容な政策を打ち出すなど、大統領の姿勢と外交への影響に質問が相次ぎました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180421/k10011412511000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_004