◆首つかみ失神させる 大分市教委、会見で説明せず

大分市立中学校の50代男性教諭が下校指導中に男子生徒1人にけがを負わせた問題で、教諭は生徒の首をつかんで失神させていたことが24日、関係者への取材で分かった。教諭は柔道の有段者だった。市教委は22日の会見で「転倒した後、すぐに立ち上がった」と説明し、気を失った事実を伏せていた。取材に対し、「隠す意図はなかった。丁寧な説明をするべきだった」と釈明している。
市教委などによると、教諭は20日午後7時ごろ、校舎の出入り口付近で話をしていた生徒5人に早く帰るよう、声を数回掛けた。
従わなかったため、自転車に乗っていた1人に対し後方から左腕を回し、首筋をつかんだという。

生徒は意識を失い、転倒。
教諭が胸をたたき、10秒ほどで目を覚ました。

知らせを受けた父親が現場に駆けつけ、自ら119番と110番通報した。
市教委は教諭らへの聞き取りで事実関係を把握。
会見では「首をつかんで引き寄せようとしたところ、転倒させてしまった」との説明にとどめていた。

両親は「息子が気絶したと分かり驚いた。
市教委は重要な部分を明らかにしておらず、問題を小さくしようとしているとしか考えられない」と憤る。

市教委の佐藤浩介学校教育課長は「事実を簡潔にまとめようと思っただけで、隠すつもりはなかった。説明不足だったかもしれない」と述べた。
両親によると、生徒は頭部打撲などで1週間のけがを負った。
大分東署は被害届を受理し、関係者に事実関係を聴いている。

大分新聞 2018/04/25 03:01
http://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/04/25/JD0056848203