0001ばーど ★
2018/04/25(水) 13:46:17.71ID:CAP_USER9http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/042400174/ph_thumb.jpg
マダガスカルの民家で、1万匹を超える絶滅危惧種のカメが押収された。
4月、同国南西の町トリアラにある2階建ての家から悪臭がするとの通報を受け、警察官や環境省の担当者らが向かったところ、そこにはこれまで見たこともない光景が広がっていた。無数のカメが互いに重なるように、びっしりと床を覆っていたのだ。(参考記事:「【動画】犬と仲良しのカメ、いつも一緒の珍生活」)
「想像を絶する、ひどい匂いでした。浴室も、台所も、家中がカメだらけでした」と、マダガスカル環境省の地方局長を務めるソアリー・ランドリアンジャフィザナカ氏は語る。
この家にいたのはマダガスカル固有の絶滅危惧種、ホウシャガメ(学名:Astrochelys radiata)だ。9888匹は生きていたが、180匹は死んだ状態で見つかった。ランドリアンジャフィザナカ氏らが数えながら救助隊員とともに6台のトラックに積み込み、トリアラから30キロほど北のイファティにある民間施設「ル・ヴィラージュ・デ・トルチュ」(カメの村)まで運んだ。何往復もして、全部のカメを施設に運び終わったのは、翌日の早朝だった
カメの大部分は、生きてはいたものの、弱り、脱水症状になっていた
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カメは家から運び出され、現在は野生動物リハビリ施設で手当てを受けている
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現在カメの世話をしている獣医師のナ・アイナ・ティアナ・ラコトアリソア氏によれば、大部分は生きており比較的元気だが、発見から1週間で、574匹が脱水症状や感染症で死んだという。
当局は犯人の手掛かりをつかんでいる。容疑者として、男2人とこの家の持ち主である女1人が逮捕された。ランドリアンジャフィザナカ氏によれば、同氏らが到着したとき、男2人は死んだカメを庭に埋めようとしているところだった。
今回、カメの救助を手伝った米国の「カメ類保存同盟(Turtle Survival Alliance)」のリック・ハドソン会長によると、ホウシャガメは大きなものでは重さ15キロ、甲長40センチになる。小型から中型のものは隠しやすく、いずれ国外に密輸されていただろうという。(参考記事:「珍しい動物のペットが中国で人気上昇、心配の声も」)
ランドリアンジャフィザナカ氏は、度を超したカメの数から見て、組織的な犯行に違いないという。「人物を特定はできませんが、黒幕がいるはずです」
マダガスカルでは、ホウシャガメを森林から持ち出すことは違法であり、182カ国と欧州連合が加盟するワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)でも、ホウシャガメの商取引は禁止されている。にもかかわらず、この動物を狙う密猟者は増えており、地元で食用に売られたり、あるいは生きたまま東南アジアや中国に密輸され、爬虫類収集家に販売されたりしている。背甲に放射状に入った複雑な黄色い模様が美しいことから、ホウシャガメには大変な高値がつく。(参考記事:「ワシントン条約会議が浮き彫りにした9つの現実」)
森林の消失も、ホウシャガメの生息数が減少している一因になっている。1990年代には1200万匹とされた生息数は、2013年には推定600万匹にまで減った。現在では300万匹に近づいているのではないかとハドソン氏は言う。野生生物の保存状況評価を行っている国際自然保護連合(IUCN)は、2008年にホウシャガメの絶滅危機のランクを「低危険種(least concern)」から「近絶滅種(critically endangered)」に引き上げた。異例の4段階アップであり、きわめて危機的な状況だ。(参考記事:「1万3000種って何の数字?」)
ハドソン氏は、この押収の規模はショックだったが、一方でこれほどの数のカメが密猟されることも「十分あり得る」と思ったと話す。「ホウシャガメは、恐ろしい、破壊的とも言えるスピードで捕獲されています」
マダガスカルでは2009年以降、野生生物の密猟が急増している。この年に起こった政変のために経済が悪化の一途をたどり、環境保護に手が回らなくなっているのだ。
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2018.04.25
National Geographic
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