http://www.bbc.com/japanese/43902906

2018/04/26
トルコの裁判所は25日、反政府派の新聞「クムフリエット」のジャーナリストなど13人に対し、テロを支援した罪で禁錮刑を課した。報道の自由をめぐって、世界から批判の声が上がっている。

トルコ政府はクムフリエットのスタッフが、政府がテロリストとみているクルド労働者党(PKK)や極左の革命的人民解放党・戦線、イスラム指導者フェットラー・ギュレン師などを支援していたと非難している。

ギュレン師については2016年7月に起きたクーデター未遂の首謀者とみており、自主亡命先の米国に身柄の返還を求めている。

クーデター未遂後、政府は警察や軍部、教育機関、公共機関、報道機関などで取り締まりを行い、5万人以上が逮捕、15万人以上が解雇された。今回、有罪となったクムフリエットのジャーナリストもこの時に逮捕されていた。

有罪となったのはクムフリエットの編集長やコラムニスト、挿絵担当者など。うちアキン・アタライ会長は禁錮7年を言い渡された。同会長はすでに500日間服役している。
公判に出席した従業員のうち3人は無罪となった。有罪となったジャーナリストらも控訴中は釈放されるという。
クムフリエットは1924年の創刊。国営メディアが大勢を占めるトルコで独立を貫いており、エルドアン大統領の怒りを買った。

25日の公判前に出た号では、一面に「この残酷さにはうんざりだ」という見出しが躍った。判決後、ウェブサイトには「歴史の前で恥をかくだろう」との見出しが掲げられた。
エルドアン大統領は、トルコの報道の自由を脅かしているとして批判を浴びている。3月25日には、ギュレン師と関わっていたとして25人のジャーナリストが逮捕された。
ジャーナリスト保護委員会(CPJ)は今回の有罪判決を非難し、有罪となったジャーナリストらを直ちに釈放するよう求めた。
CPJの欧州・中央アジア・プログラムで調整役を務めるニーナ・オグニアノバ氏は3月、「トルコ政府はジャーナリズムとテロを結び付けるのを止め、職務を遂行したという理由で投獄された多くの報道関係者を釈放すべきだ」との声明を発表した。

(英語記事 Turkey convicts 13 more journalists )
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/16322/production/_101041909_mediaitem101041908.jpg