山陽新聞 2018年04月27日12時51分更新

岡山市で循環バス「めぐりん」を運行する八晃運輸(同市中区倉益)は27日、市中心部と東区西大寺地区を結ぶ新路線・益野線で運行をスタートさせた。始発便が午前7時前、起点となる停留所を出発した。
両備ホールディングス(HD、同市北区錦町)の両備バス労働組合は、競合する西大寺線で乗客から運賃を取らない「集改札ストライキ」を前日に続いて行った。

益野線は、新橋の停留所(同市東区西大寺中野)を発着点とする1周23・9キロ。山陽女子中学・高校前、岡山駅前などを経由する。平日に51便、休日に48便運行。
運賃は市中心部(岡山駅前―東山間)が100円、それ以外は250円(小学生130円)。

この日、記念行事はなく、市中心部に向かう午前6〜9時台の便で乗客の混雑は見られなかった。
7時台に同市中区円山のバス停から乗った出張中の会社員男性(60)=東京=は「運賃が安く驚いた。所要時間は既存のバスと変わらず、乗る人が増えるのではないか」と話した。

両備バス労組の27日の集改札ストは終日の予定。同じ両備グループの岡山電気軌道(同市中区徳吉町)の岡山電気軌道労働組合も路面電車全2路線で最終便まで行う。

益野線を巡っては、両備HDと岡電が国の認可取り消しを求めて東京地裁に提訴した。両労組は、新規参入で賃金の低下などが懸念されると主張し、西大寺線で23日に運休ストを実施。
26日以降も計画していたが、利用者への影響を避けるため集改札ストに方針転換した。

八晃運輸の成石敏昭社長は運行開始に当たり「健全な競争によって市場を活性化させ、利用者により充実したサービスを提供していきたい」とコメントした。

益野線で運行を始めためぐりん(手前)と両備ホールディングスの西大寺線バス(奥)=27日午前8時5分、岡山市中区東山
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