※省略

昨秋の衆院選で、北朝鮮に対して圧力を最大限まで高めていくと申し上げました。「圧力だけかけてもしょうがないじゃないか。まず話し合え」との声もありましたが、まず国際社会がしっかりと連携して「テーブル上にあらゆる選択肢がある」という米国の姿勢を支持する中で、北朝鮮から話し合いを求めてくる状況を作らねばならないと私は主張しました。

 洋上で積み荷を移し替える「瀬取り」にも「抜け道は許さない」という姿勢で国際社会と協調し、日本も役割を果たしてきた。その結果として平昌五輪を契機に北朝鮮が話し合いを求めてきた。

 まさに日本が国際社会をリードしてきた成果ではないですか。決して日本が蚊帳の外に置かれていることはありません。

 南北首脳が署名した「板門店宣言」には、終戦を宣言し、現在の休戦協定を平和協定に転換するため、南北と米国の3者、または南北米中の4者会談の開催推進が盛り込まれましたが、2007年の南北首脳会談での声明にもほぼ同じ文言がある。過去の首脳会談で出された文書や、会談内容との違いをよく分析する必要があります。大切なことは、今スタートしたばかりだということです。

 北朝鮮に対して日本は、拉致や核・ミサイルの問題を解決し、過去の問題を清算し、日朝関係を正常化していく方針に変わりはありません。こうした問題を解決することが、北朝鮮が国際社会に受け入れられ、発展していく上において決定的に重要な要素なのです。

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 先日訪米し、トランプ米大統領と2日間にわたり11時間以上、時をともにすることができました。いかに日米の絆が強固なものであるかを示せたのではないでしょうか。

 訪米直前に私は拉致被害者の横田めぐみさん(53)の父、滋さん(85)を見舞いました。滋さんの手を握って「米朝首脳会談でトランプ大統領が拉致問題の解決を強く要請するようしっかり話してきます」と約束しました。

 トランプ氏の別荘「マールアラーゴ」での私と妻、トランプ夫妻の夕食会でも、夫妻が拉致被害者家族に面会したときのことに話が及びました。夫妻は「13歳の少女を拉致された両親の悲しい気持ちは伝わってきた」と口をそろえ、メラニア夫人は「首相が情熱を持って取り組んでいることに感銘を受けた」と、トランプ氏は「必ず力になる」と言ってくれました。

トランプ氏は共同記者会見でも「米朝首脳会談で拉致問題を提起し、被害者を連れて帰るためにできる限りのことをする。シンゾー、あなたに約束する」と述べてくれた。これが全米でライブ放送された。世界にコミットメントを示してもらった意義は大きいと思っています。

※中略

昨今、行政に対する国民の信頼を揺るがす事態が起こっていることは、行政府の長、あるいは自衛隊の最高指揮官である私の責任であり、責任を痛感しています。私が先頭に立って問題解明のために全力を尽くしていかねばならない。全容を解明して膿(うみ)を出し切り、組織を立て直していく必要があります。文書のあるべき姿は、国民の行政に対する信頼に直結している。どのように改革をするか、きちんと示していきます。

※以下省略、全文はソース先で

2018.4.29 07:35
産経ニュース
http://www.sankei.com/smp/politics/news/180429/plt1804290007-s2.html