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5月10日 21時26分
イスラエルが、隣国シリアに展開するイランの精鋭部隊からとされるロケット弾攻撃に対し報復の空爆を行い、シリアで23人が死亡しました。アメリカの核合意離脱の表明をきっかけに、イスラエルとイランの間で緊張が高まる中、衝突の拡大が懸念されます。

イスラエルの占領地ゴラン高原に10日未明、隣国シリアに展開するイランの精鋭部隊「革命防衛隊」が、およそ20発のロケット弾を撃ち込んだとして、イスラエル軍はシリアで報復の空爆を行いました。

シリア内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」によりますと、イスラエルの空爆は、首都ダマスカスの周辺をはじめ、南部のクネイトラ県や、中部のホムス県など広い範囲に及んだということです。

また標的となったのは、イスラエルと敵対するイランやイスラム教シーア派組織ヒズボラ、それにイランが支援するアサド政権の軍事施設で、少なくとも23人が死亡したということです。

イスラエルは隣国のシリアで、イランが軍事的な存在感を増していることを警戒し、これまでもたびたび、シリア国内にあるイランの軍事施設を攻撃してきましたが、イランによると見られる攻撃があったのは、アメリカがイラン核合意からの離脱を表明して以降、初めてです。離脱の表明をきっかけにイスラエルとイランの間で緊張が高まる中、シリアを舞台に両国の衝突が拡大することが懸念されます。