大正天皇エピソード

【巡啓の時の殖産興業奨励のご様子】
 1902(明治35).5〜6月の関東・信越地方の行啓の際のエピソードが次のように伝えられている。

○  我が国のぶとうとワイン製造の父と云われる新潟県高田にある「岩の原ぶどう園」の川上善兵衛の会社を突然訪問した。皇太子はぶどう酒が大好きだったので予定を変更しての訪問だった。
「日本人がおのれ一個の資力にしてこれだけの事業を成せしは感心の至りなり」と言葉を川上にかけ、感激させている。

○  皇太子が油田を見学した際の様子を新潟新聞が一言一句伝えている。それによると、「(油田を見て)これは国益だな」と述べられたこと、
柏田知事に対して「本県における貧富の差の程度は如何」、「歳入出の増減について」、
「学生の気風、学力、品行等は如何」、「普通教育において男性、女性のいずれが成績優良なるか」、「米穀生産額、その輸出額は如何」など10項目について尋ねている。