10年前に富山県高岡市で見つかった動物の骨とみられる化石が、約270万年前のアシカの仲間の可能性が高いと、発掘した富山県の民間の研究グループが発表し、アシカの化石としては国内で最も古いものだとしています。
これは、民間の研究グループ「富山県古生物研究会」が記者会見で発表しました。
研究会は、10年前に高岡市西部の丘陵地帯で、動物の足の部分などとみられる骨3点を発掘し、ほ乳類の骨格の研究をしている愛知県の豊橋市自然史博物館の安井謙介主任学芸員に分析を依頼しました。
その結果、化石は、▼形や大きさなどからアシカの仲間の骨で、▼見つかった地層から約275万年前のものと推定されるということです。
安井学芸員によりますと、この時期はアシカの仲間が北太平洋から日本周辺に生息域を広げるとともに、アシカやトドに種類が分かれた時代と考えられているということです。
また、研究会によりますと、アシカの化石はこれまで神奈川県内で見つかった約120万年前の歯などが国内で最も古いとされてきましたが、今回の化石は、それを150万年以上さかのぼり、国内で最も古いものになるとしています。
安井主任学芸員は「アシカがどのように生息範囲を広げ、進化してきたかを知る上で貴重な発見だ。
同じ地層でさらに化石が見つかれば、アシカの進化の過程をたどることが期待できる」と話しています。
化石は保管されている富山市八尾化石資料館で、ことし7月下旬から1か月ほど公開されるということです。


NHK 05月14日 18時53分
http://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/3064610631.html