強力な「はしか」感染力への対策法「マスクや手洗いしたほうがいい」
2018年5月16日 14時30分

岡部 信彦 おかべのぶひこ
現在川崎市健康安全研究所所長
199-94年、WHO西太平洋地域事務局(WPRO)伝染性疾患予防対策課課長
元国立感染症研究所感染症情報センターセンター長 (2004-)
元の専門は小児科

はしかの感染は、「大火事になっているのではなくて、まだ”ボヤ”です」岡部信彦氏

「定期接種は2006年、MRワクチンによる2回の接種に変更され、1歳児と小学校入学1年前の間に行う。
今の子供たちの95%前後は免疫を持っています。
ですから、以前のような何万人も患者が発生するというような流行にはなりにくい。
ただ、感染者が数百人になり、やがて1000人というように増えると、亡くなる方も出てくるでしょう。
放っておいて火が広がるのはまずい。やっぱりボヤの内に消さないと」

マスク、うがい・手洗いはしたほうがいい

はしかの感染力はインフルエンザなどとは比べものにならないほど強力である。
マスクをしても空気感染してしまう。では、マスクの着用は意味がないのだろうか。
「そんなことはありません。マスクでは不十分ですが、しないよりははるかにいい。
『うがい・手洗いで、はしかの感染は防げないから、手を洗ってもまったくだめ』、と解釈するのは大間違いです。
手を洗うことは感染予防の基本です」

岡部所長は「はしかはそれ自体だけでなく、合併症の心配もある」と指摘する。

肺炎を起こしたり、角膜炎から失明したり、中耳炎から難聴になる場合もある。
はしかに効く有効な薬はないので、予防が大切になる。
かかった後はほかの病気にかかりやすい状態になる。
「治ってからも免疫力がストンと落ちた状態が続き、回復に1カ月程度かかることもあります。
はしかという強力な病気に対して自分の力を使い切ってしまう。
以前は、治りかけた子どもが結核を発症したり、その後に風邪をこじらせて具合が悪くなったりする、
というようなことがよくありました」
ttp://news.livedoor.com/article/detail/14722576/