読売新聞 2018年05月15日 15時40分

1980年代、90年代前半に相次いで新設・改修された全国各地の水族館が、30年とされる施設の寿命を迎え、建て替えなどの必要に迫られている。

「水族館の2020年問題」とも指摘され、高額な費用などを巡り、改築方針を白紙にしたり、事業継続を断念したりするケースも出ている。

「この機に名称を変えてみては」「施設の内外で海を感じられるようにしては」。
先月開かれた「葛西臨海水族園」(東京都江戸川区)の将来像を話し合う有識者会議では、刷新に向けた様々な意見が飛び交った。

1989年開業の水族園を運営する東京都は当初、2023年頃に改築する方針だった。
しかし、新国立競技場の整備計画がいったん撤回されたり、築地市場の移転が延期されたりと、高コストの公共事業を巡る問題が続発。
老朽化した水族園の浄化装置を交換するには、建物ごと改築する必要があり、慎重意見が強まった。

都は昨年12月、方針を白紙に戻し、今夏に有識者会議がまとめる提言を受け、建て替えの是非を決めることにした。
都幹部は「水族館の建て替えや改修は100億円以上かかることもある大事業。時間とお金がかかるだけに、計画を十分に練り上げる」と説明する。

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