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 香港から金塊を密輸したとして、警視庁は15日、暴力団関係者の本城翼容疑者(34)ら男数人を、関税法違反と消費税法違反などの疑いで逮捕した。警察が準暴力団と位置づける「怒羅権(どらごん)」の関係者も関与したとみて、逮捕状を取って行方を追っている。捜査関係者への取材でわかった。

 捜査関係者によると、逮捕容疑は昨年12月ごろ、香港から金塊約10キロ(約4500万円相当)を羽田空港に密輸し、消費税などを免れたというもの。同庁は、本城容疑者らが昨年以降、少なくとも1億円相当以上の金塊を密輸していた疑いがあるとみている。

 財務省によると、金密輸の摘発は消費税率が5%から8%に上がった2014年から急増。昨年は前年比536件増の1347件で、押収量も倍増の約6200キロだった。香港からの密輸は全体の25%を占め、最多の韓国に続いて2番目だった。

 暴力団関係者によると、香港では出どころが不明の金が出回っており、相場よりも安価で入手できるという。香港では消費税がかからないため、日本に密輸して消費税分を上乗せして売ることで利ざやも稼げる。この関係者は「うまみは大きい」と話す。