http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20180517/1050002573.html

05月17日 17時32分
次世代のコンピューターとして期待が高まる「量子コンピューター」のソフトウェアを開発する研究拠点を、慶応大学が横浜市に開設し、国内の民間企業と共同でビジネス分野への応用を目指していくことになりました。

量子コンピューターの新たな研究拠点は、慶応大学がアメリカの大手IT企業IBMと連携して横浜市にある理工学部のキャンパスに開設しました。

研究拠点は、IBMがアメリカで開発中の「ゲート方式」と呼ばれるタイプの量子コンピューターとインターネット回線でつながっていて、スーパーコンピューターを上回ると期待される量子コンピューターを金融業や製造業などビジネスの現場でどのように生かしていけるのか、国内の民間企業と共同でソフトウェアの開発を進めていくということです。

量子コンピューターは、光の粒や電子など量子と呼ばれるきわめて小さな物質の世界でおきる物理現象を応用した次世代のコンピューターで、カナダのベンチャー企業が「アニーリングマシン」と呼ばれるタイプを発売し、世界的な研究機関が次々と購入して研究を進めるなど国際的な開発競争が激しくなっています。
慶応大学理工学部の伊藤公平学部長は「量子コンピューターで使えるソフトウェアを開発し、実際の問題を解くことが使命で2年半くらい後をめどに今のコンピューターでは不可能なことを可能にしたい」と話しています。