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5月19日 4時03分気象
霧島連山の一つで宮崎県にある硫黄山が噴火してから19日で1か月です。霧島連山の地下深くには幅10キロから15キロにわたる大規模なマグマだまりがあることが初めてわかり、研究者は「噴火のメカニズムを知る重要な手がかりになる」としています。

気象庁気象研究所と東京大学地震研究所、それに京都大学の研究グループは、霧島連山の新燃岳が噴火した平成23年から2年余りにわたり周辺37か所の地震計を使って体に感じないわずかな振動の伝わり方から地下の構造を解析しました。

その結果、霧島連山の地下のマグマだまりは、幅が10キロから15キロ、厚さが5キロ以上と見られることが初めてわかったということです。硫黄山があるえびの高原から新燃岳、御鉢(おはち)など霧島連山一帯の地下にわたる大規模なもので、同様の手法で解析した浅間山のマグマだまりと比べ、2倍程度になるということです。

気象研究所の長岡優研究官は「マグマだまりの全体像をとらえたのは初めてで、地震や、地盤の変化などさまざまなデータを統合して、噴火に至るメカニズムを考えられるようになる。マグマだまりが大きく、新燃岳以外の御鉢などから噴出する可能性もあり、広い範囲で地殻変動などの観測や研究を行う必要がある」と指摘しています。