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福井県は23日、文豪夏目漱石が英国留学中、ドイツに留学している友人2人に送った
自筆のはがき3通を発見したと発表した。

いずれも内容は1917年刊行の「漱石全集」で紹介されているが、現物の確認は約100年ぶりという。

見つかったのは独文学者で京都帝国大の初代文学部長を務めた藤代禎輔宛て絵はがき2通と
福井県出身の国文学者、芳賀矢一宛てはがき1通。ロンドンに到着して約1カ月後の絵はがきには
「僕ハ独リボツチデ淋(さびし)イヨ」と記され、漱石の孤独感がうかがわれる。

3人は東京帝国大時代の学友で1900年9月、国費留学生として同じ船で横浜港から出発。
漱石は英国で約2年間の留学生活を送った。早稲田大名誉教授の中島国彦氏(日本近代文学)は
「ロンドン生活の様子や感想を小さな字で丹念に込めていたことが分かる」と再発見の意義を話した。

今回のはがき3通は、福井県立こども歴史文化館(福井市)の担当者らが昨年9月、同市内の古書店で発見した
計194点の資料中に含まれていた。漱石自筆の絵はがきなどは26日から6月24日まで同館で公開する。