【ブリュッセル八田浩輔】海洋ごみを減らすため、欧州連合(EU)の欧州委員会は28日、ストローや皿など、一部の使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する方針を発表した。来年5月までに加盟国と欧州議会の承認につなげ、2021年からの実施を目指す。深刻な海洋汚染を背景に、欧米では使い捨てのプラスチック製品を禁止する動きが急速に進んでいる。

 欧州委の方針では、使い捨てのプラスチック製品について対象別に規制を定める。ストローやマドラー、皿などの食器類は原則禁止。コップは課金の対象とすることで、使用量の減少を目指す。ペットボトルについては、加盟国に対して25年までに回収率90%を達成するよう義務づける。また、プラスチックを含む釣り具は、製造者側にごみ回収コストの負担を求める。

 プラスチックは海洋ごみの85%を占めるとされ、欧州委は今年初め、30年までに包装に使うプラスチックをすべて再生利用可能なものに替える方針を公表。今回は、こうした取り組みをさらに進める意思を示した形だ。

 EU加盟国の中で取り組みが先行する英政府は今年4月、軸部分にプラスチックを使う綿棒やストローなどの使い捨て製品を来年にも禁止する方針を発表。米国ではシアトル市が今夏から飲食店でストローや食器類を禁止する他、ニューヨーク市議会にも飲食店でのストロー使用禁止に向けた動きがある。

2018年5月29日 09時50分(最終更新 5月29日 10時16分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180529/k00/00e/030/215000c