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5月29日 23時11分
資源の減少が懸念されている太平洋クロマグロについて、北海道では来シーズンの漁獲枠が事実上ゼロなりました。今シーズン、決められた枠のおよそ7倍も水揚げし、取りすぎたことによるものです。

水産庁は30キロ未満の小型のクロマグロについて、ことし7月から9か月間の来シーズンの都道府県ごとの漁獲枠を発表しました。

それによりますと、北海道の漁獲枠は8.3トンで、今シーズンの112トンから大幅に削減されました。認められた8.3トンは別の魚をとるための網にクロマグロがかかってしまう分を想定したもので、漁獲枠は事実上ゼロとなり、来シーズン、北海道では小型のクロマグロ漁ができなくなります。

北海道では今シーズン、クロマグロの水揚げが漁獲枠のおよそ7倍に達し、取りすぎとなっているためで、ルールに従って超過分が来シーズンの漁獲枠から差し引かれる措置がとられました。

このほか、鹿児島県でも今シーズンの超過分を差し引いた結果、漁獲枠が事実上ゼロとなりました。

今回の措置について、水産庁は「漁業者にとっては影響が大きいと思うが、クロマグロの資源を回復させるために日本全体で取り組んできた仕組みに沿ったものだ」と話しています。

北海道は取りすぎ 漁獲枠の7倍も

太平洋クロマグロは、資源の減少が懸念されていることから国際的な取り決めに沿って日本全体の漁獲枠が定められ、それをもとに水産庁が都道府県ごとの漁獲枠を決めています。

北海道では今シーズン、小型のクロマグロについて、定置網漁や一本釣り、はえなわ漁など沿岸漁業で合わせて112トンの枠が割り当てられました。しかし、一部の漁協が定置網でクロマグロを大量に漁獲したことなどから、今月15日までに北海道全体の水揚げ量は783トンに達し、漁獲枠のおよそ7倍に上っています。

この影響もあって日本全体の漁獲量も押し上げられ今月15日までの沖合と沿岸を合わせた全国の小型のクロマグロの水揚げ量は3408トンと、すでに国としての漁獲枠の99%に達し、2年連続で漁獲枠を上回る可能性が高まっています。

仮に漁獲枠を上回った場合、次のシーズンでは日本全体の漁獲枠が減らされることになります。

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