米国のコレクターがパリのオークションハウス「オテル・ドゥルオー」に、
個人蔵の恐竜アロサウルスの骨をほぼ完全な形で出品し、
これが240万ドル(およそ2億6348万円)もの記録的な価格で競り落とされたことから、
研究者らから抗議の声があげられている。ライブ・サイエンスが報じた。

フランス、米国の法律に照らした場合、この競売行為は完全に合法的。
これらの骨の売り手は米ワイオミング州にある自分の領地でこれを発見し、自発的に発掘し、
自国から持ち出してオークションにかけた。
一方でこれだけの価格で競りに出された場合、研究者らは購入することは到底できない。
米インディアナ大学、古生物学者のデヴィッド・ポリー氏は「化石に対するこうした傾向が無くならない場合、
科学は大きな損傷をうける。なぜなら我々にとっては新たな化石へのアクセスがますます困難になるからだ」と語っている。
ポリー氏をはじめとする2200人の研究者らは、オークションハウスのオーナーに対する抗議の書簡に署名を行った。

ポリー氏は「こうした化石が埋蔵されている土地の所有者は今後は研究者らと協力をせず、
誰よりも多く支払う者と組むだろう。そうなれば古生物学は科学ではなくなり、
商業目的の企業となってしまう」と懸念を表している。

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