アインシュタインから見た日本人

「日本人は欧米人に対してとくに遠慮深いということです。
 我がドイツでは、教育というものはすべて、個人間の生存競争が至極とうぜんのことと思う方向にみごとに向けられています。
 とくに都会では、すさまじい個人主義、向こう見ずな競争、獲得しうる多くのぜいたくや喜びをつかみとるための熾烈な闘いがあるのです。
 ・・・
 しかし日本では、それがまったく違っています。
 日本では、個人主義は欧米ほど確固たるものではありません。
 法的にも、個人主義をもともとそれほど保護する立場をとっておりません。

 しかし家族の絆はドイツよりもたいへん固い。・・・」

 「日本では、自然と人間は一体化しているように見えます。・・・
  この国に由来するすべてのものは、愛らしく朗らかであり、自然を通じてあたえられたものと密接に結びついています。
  かわいらしいのは、小さな緑の島々、丘陵の景色、樹木、入念に分けられた小さな一区画、そしてもっとも入念に耕された田畑、
  とくにそのそばに建っている小さな家屋、そして最後に日本人みずからの言葉、その動作、その衣服、そして人びとが使用しているあらゆる家具等々。」
 (杉元142〜3頁)