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「我々ヨーロッパ人は、互いの間では賢く写るが、日本人に比べるとはなはだ、野蛮であると思う。
 私は毎日、日本人から教えられることを 告白しなければならない。私は世界の中で、これほどまで天から才能を
 与えられた民族はないと思う。」
「京都は、ヨーロッパならローマにあたるが、科学、見識、文明はローマよりはるかに高尚である。
 信仰さえ別にすれば、我々は日本人よりもあきらかに劣っている。」
     16世紀 イエズス会本部への報告書より 宣教師 ニエッキ・ソルド・オルガンティーノ

ザビエルの見た日本

そこで私は、今日まで自ら見聞し得たことと、他の者の仲介によって識ることのできた 日本の事を、貴兄等に
報告したい。先ず第一に、私たちが今までの接触に依って識ることのできた限りに於いては、此の国民は、
わたしが遭遇した国民の中では一番傑出している。私には、どの不信者国民も、日本人より優れている者は
無いと考えられる  日本人は総体的に良い素質を有し、悪意が無く、交わって頗る感じが良い。
彼らの 名誉心は特別に強烈で、彼らにとって名誉が凡てである。日本人は大抵貧乏である。
しかし武士たると平民たるとを問わず、貧乏を恥辱だと思っている者は一人もいない。
日本人は何よりも名誉を重んじ、彼らの大多数は貧しいが、貧困は貴族にとっても 武士にとっても平民に
とっても、決して恥ずかしいことでも、不名誉なことでもない。
彼らは「正直さ」のほうを選ぶ。未信心者のなかで、日本人より優れている民族は、いないと思われる。

ペドロ・アルベ、井上郁二訳「聖フランシスコ・ザビエル書簡抄」より
http://www.page.sannet.ne.jp/gutoku2/kirisutokyou.html