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 シカなどによる農作物の食害に悩む福岡県添田町は12日、私有地の水田にオオカミを模した害獣撃退装置「モンスターウルフ」
(高さ50センチ、全長65センチ)を九州で初めて設置した。赤外線センサーで害獣を感知すると、両目の赤いLED(発光ダイオード)を点滅させて首を振り、
本物のオオカミのうなり声や「猟銃で撃て、撃て」といった人間の叫び声など57種の音声で追い払う。
半年間の試験で「効果があれば、広げていきたい」(寺西明男町長)としている。

 据え付けたメーカー「太田精器」(北海道)の太田裕治社長(59)によると、センサーの感知範囲は扇形に最大約30メートルに及ぶ。
他社に同種の模型などはなく、2016年10月の開発以来、添田町で全国28台目。
約3500平方メートルの水田を提供した木戸則夫さん(70)はウルフの化繊の毛並みをなでて
「米は収穫前に3分の1がイノシシに荒らされてきた。ウルフの声は迫力がある。被害を抑えてほしい」と期待を込めた。

 町地域産業推進課によると、害獣による農業と林業の被害額は16年度に合計約4592万円に達した。
従来から電気柵を設けたり、捕獲するなど対処してきたが「極端に減ることもない」(寺西町長)ことから、新しい手段として
今年度当初予算に10万円を計上して、試験的にウルフを1台導入した。

 ウルフの本来の価格は、太陽光パネルやバッテリーなど付属品や設置料などを入れて約50万円。
太田精器は「添田を発祥の地に九州に普及することを期待する」と割り引いた。
現状は足もなく自走できないが、太田社長は「将来的にはロボットのように動けて、害獣を追いかけられるようにしたい」と話した。

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